日本でRCSは普及するのか

ソフトバンクは「ソフトバンク」「ワイモバイル」および「LINEMO」の3つのブランドで、2026年春からRCSの提供を開始すると発表した。

RCSは言わずもがな電話番号でやりとりできるメッセージサービスでSMSやMMSの後継に当たる規格としてGSMAで世界的に標準化されている。世界のキャリアで導入されたがあまり普及せず、グーグルが本腰を入れたことで広く浸透しつつある。

グーグルのロビー活動により、アップルのiMessageとRCSとしてAndroidとやりとりできるようになった。

日本ではすでにKDDIが2025年4月からRCSの提供を開始しており、ソフトバンクは国内2社目となる。

国内3キャリアではこれまで「+メッセージ」を担いできた。LINEに押されっぱなしのなか、3キャリアでLINEに対抗するメッセージサービスとして提供。ユーザーに受け入れられるだけでなく、企業向けに広告や会員証、ダイレクトメッセージ機能を提供しようという目論見があった。

ただ、振り返れば「+メッセージ」の開始は2018年まで遡る。

その翌年となる2019年、ソフトバンクはLINEを傘下に収めた。これにより、ソフトバンク全体としては、メッセージサービスとしてLINEを担ぎ、+メッセージに対して、やる気がなくなったものと思われた。

KDDIが+メッセージを諦め、どんなにRCSにシフトしようとも、ソフトバンクには絶対王者であるLINEがあるため、RCSには見向きもしないだろうというのが下馬評であった。

しかし、ここに来て、ソフトバンクがRCSに対応してくるというのは本当に青天の霹靂だ。一体、何があったというのか。

ただ、ソフトバンクユーザーを分析すれば、一昔はiPhoneユーザーが圧倒的であったはずが、最近はAndroidユーザーの割合も増えているはずだ。Androidユーザーのニーズを考えれば、RCSに対応しておくというのは自然な流れかもしれない。

そこで気になってくるのが他社の動向だ。

果たして、NTTドコモはRCSにいつ対抗してくるのか。さすがにこれまで+メッセージを一緒に展開してきた、KDDIとソフトバンクに裏切られたとなると、もはやRCSに寝返るしかないだろう。

その方がユーザーのためというものだ。

一方で、頑なに+メッセージに近寄りもしなかった楽天モバイルは、このままRakuten Linkで貫くのだろう。

Rakuten Linkは単なる電話・メッセージアプリというよりは、ユーザーと楽天のサービス、市場の店舗を結ぶメディアと化している。

ユーザーに無料通話、メッセージを提供する一方、店舗へのバナーを掲載して広告料を取っている。既存3社が+メッセージでやりたかったことを実現できているので、特にRCSにも関心はないのではないか。

既存3社で作り上げたサービスが10年も経たずに諦めの境地となり、あっさりとグローバルスタンダードに切り替わるというのは、至極、まっとうな判断と言える一方で、一抹の寂しさも感じてしまうのだ。